ヤングアニマル感想文
2003.09.27

「マキが最後なんだ」
言い切りましたねジュリエッタ!
その言い切りに痺れ、その言い切りに悲しくもあり。

てか、彰子のキャラが変わってませんか→

2003年5月10日より開設しました。
大概は独断と偏見で浅はかに喋っているので考え方違うぞーって多くの方ごめんなさい。

※手元にこの号だけアニマルがなく記憶で短めさっくり感想ですすみませんです…。
  どこだ、どこに行ったんだ。部屋のどこかにあるんだろうか。
※そのため細かい部分など誤りがありましたらお許し下さい。発見次第修正します。

2003年8月9日発売・ヤングアニマル15号・160話「満足できるかな」

満足できるかな?というサブタイについて。

このサブタイが人に対する問いかけのような口調になっていて、
だとすると、誰にあてた問いかけなのかはわからないのですが、
もしくはヨクサル先生にそんな意図はないかも知れないですが。

この場にいる四人の人間すべてに
ということなのでしょうか。あ、渺茫は一人として計算しましたよ!

坂本ジュリエッタは自分自身の心の充足を、
彰子は渺茫を最後まで見守り続けることで得られる満足を。
佐伯四郎はどこまでイケるか、満足するまで見てみたいと願う。
そして渺茫は、満足するという感情すら、完全体になった時点で放棄した人に思います。

渺茫個人としての満足が「もう一度あの男と(リーさんと)戦いたい」ということであったなら、
自らの意思をつとめて放棄しようとしている今、その願いを満足させることはありえないですね。
戦いたい、ああしたい、こうしたいという感情を、渺茫はほぼ捨て去っているように見えました。
今の彼が自分の存在を「定めに従うイレモノ」と割り切っているとしたら、
満足という概念自体、彼の中で過去の存在になりつつあるのでしょうね。

そうして渺茫が自分の意思を消し去りイレモノに徹しようとしているのに、
「渺茫、渺茫」とリリカルに話しかける彰子…。

黙って頑張らせてあげてください(笑)



ところで満足という言葉に今回もっとも強く、もっとも声高に主張しているのは
坂本ジュリエッタなわけですが。彼の満足への渇望と要求レベルは、
渺茫と面白いぐらい対照的だなあと思いましたです。

「満足したことはあるか?俺はない」
「マキが最後のチャンスなんだ」


こう言い切れる28歳。即答してしまう28歳。
最後とか言い切ってしまえる28歳。

「そんな人生後ナシみたいなセリフ、あと20年は言いたくないね!」
とは別件での滝川ユウの言ですが、ジュリエッタの人生は一体いつから
後ナシだったのだろうと考えると、想像するに悲しくなってしまったりです。
もうだいぶ前に、「父親にジェニーを否定され」「気持ち悪いと言われ」
「自殺を図った」
幼少時から、人生後ナシの絶望感を抱えていたとしたら、
それはけっこう根が深いかもとか…思いっきり想像いっぱいなのですが…。

否定されたくない、受け入れてほしい、生きていることを実感するほどの
「風を通して」ほしい、蹴り飛ばしてでも逃げないでほしい、愛してほしい。


こんな当たり前のことが、ごっそり根深く欠落しているとしたら、
そりゃあ並大抵の注ぎ方では満足したことなどないでしょうね…。
それ以前に”スイッチ”とやらに阻まれるわけだし。
それを思えば、確かにマキは、

ジュリエッタを否定しない
ジュリエッタの狂気を受け入れる
(闘いという形で)
生きていると実感するほどの感情を呼び起こしてくれる
(子供のように笑うのはマキとの会話中だけ。その他の場合は表情1コしかないんかい、と言われるほど)
蹴り飛ばしてでも自分を止めてくれる(逃げるけど)

とまあ、彼の要求水準を満たすだけの条件が揃っているわけであり。

愛はないですけどね(致命的)

ところで「由紀に思いを馳せない」理由については、
マキは「日常と狂気を内包する人間」であり、由紀は「自らの愛のため狂気に身を委ねる」
女性であるからでしょう。質としては、マキの方が「俺と似ているな」ということなのかな。
由紀の性質については何だか計り知れないのでアレですが…。

ジュリエッタがどんな形であれ、作中で満足するときが訪れるのを願います。


さてさて気が付くとジュリエッタ論で感想が埋まってしまいそうでしたよ!
あぶないあぶない。それでは今回の気になった彼女についてゴーです!

彰子の奇行について

…彼女に何があったんですか?
あの性格の変わりっぷり、てへ★とか素で言いそうな行動と言動。
そしてどう見ても奇怪以外の何事でもないであろう、
 

床突っ伏しぶるぶる行動…
 
あれは笑っているのか、それとも悔しさにひきつれているのか。
それすらもわからないほど、私の常識の範囲では想像つきません…。
一瞬カシオ(嵐番外編の変な人)の奇行癖が乗り移ったかと思いました。
っていうかカシオは彰子のお兄さ…(ありえなさすぎるので省略)

あの性格描写の変容について、

1.彰子はもともとああいう人だった
2.渺茫を完全体にしたことで(&キスしたことで)彼女面、というと語弊があるけど、
 馴れ馴れしく変化した(または母親面、保護者面をしはじめた)
3.実は彰子は自らの体の中に渺茫を住まわせていたため、そのためミステリアスで
 悟ったような雰囲気があっただけ。彰子単体になった今は素の性格がアレ
4.特に考えて描かれていない
5.実は彰子は13歳。今まではちょっと背伸びをしていた

嫌だ…!(笑)
ロクなことをおもいつかねえ自分も嫌だ!
ありえるのは1か2か4なわけですが…ヨクサル先生はあんまし女の人くさい
女の人は描かないから
(情念むき出しの由紀姉は別)2もないかもかなあ…。
保護者面、はありえるかもしれないですが。

ともかくつかめない女・彰子の謎はますます深まるばかりです。


一方由紀姉と摩季の戦いもゆっくりと始まっていってますね。
天井ががっつりある廃墟の中で、あの滞空時間を誇るエアマスターが凄いです。
無理しないで、屋上に場所を移して飛びまくってください(笑)


今回はここまで〜。
 

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